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以前に一度UPしたことのあるスペイン製ホラー映画「DAGON」…BDリマスター盤がリリースされたので再度レビューしたいと思いマッス

アメリカの実業家ポールと恋人のバーバラ、そして友人のハワード夫妻はスペインでバカンスを楽しんでいた。ある日、ハワードのヨットでクルージングに出かけたが、急に襲ってきた悪天候により、片田舎の港町の沖合にある岩礁に座礁してしまう。ハワード夫妻の妻ヴィッキーが負傷し、脱出できなくなったため、ポールとバーバラは港町に助けを求めに上陸する。しかし、その港町インボッカには、古くからダゴンという神を崇拝する奇妙な住民たちが住んでおり、おぞましい生贄の儀式が催されていた...

タイトルだとラヴクラフトの初期の作品「ダゴン」の映画化かと思いますが、ベースになっているのはクトゥルフ神話の中でもメジャーな短編小説「インスマウスの影」の方です。
ただし、スペイン映画ですから脚本はかなりアレンジされてて原作の面影はありません。物語の舞台はマサチューセッツ州のインスマウスではなく、スペインの港町インボッカになっています。
でも英語のマウス(口)はスペイン語でボッカですから、単に翻訳してるだけなんですけどねwww
インボッカはまるでサイレントヒルの街みたいです。

20年前の2001年制作ですが「死霊のしたたり」「フロム・ビヨンド」といったクトゥルフ神話をモチーフにしたホラー映画を数多く制作しているブライアン・ユズナ&スチュアート・ゴードンコンビの作品ですから、クトゥルフ神話の陰鬱な空気感がよく表現されています。

住人たちが異形の顔面を隠すために、人の生皮をはぎ取ってかぶってたり、生贄にされた美女が両腕だけ残し、召喚された邪神ダゴンに喰われてしまったり…原作の表現以上にグロテスクでゴアなシーンのインパクト大です。モンスターは粘液質の不気味なグチョグチョ軟体動物でめっちゃ気色悪いし…主人公が町の支配者の屋敷に忍び込むと妖しげな娘がいて、言われるがままにベットの布団めくると下半身がタコだったという、なんともクトゥルフ神話的な発想がたまらなく不気味で悪夢を見そうな作品ですゥ。
ちなみに、原作ではダゴンは半魚人タイプで、軟体動物はクトゥルフの方なんですけどねェ~

ユズナ・ゴードンコンビの作品はどれもなかなかオモロシイですね。クトゥルフ神話がモチーフの作品はたくさん観ましたが、この作品と「ネクロノミカン」が一番原作に雰囲気が近かったです。
BDリマスター盤で再見すると、より鮮明な映像でグロさも不気味さも倍増デッス。ただし、好き嫌いははっきり分かれると思いますし、よゐこには決してお薦めできない映画ではありますけど~ダハハ