イメージ 1

さすがに私も1950年代の作品はリアルタイムでは観ていません。
私が最初に映画館で見た記憶があるのは「キングコング対ゴジラ」です。1962年の公開ですから、6歳でしょうか?いくらなんでも小さすぎるので、その2,3年後かもしれません。田舎の映画館だったので、かなり遅れて上映していたのかも…
最初から観たのではなく、途中から(ちょうど氷山からゴジラが出現するあたりから)
だったと記憶しています。
50年代の作品はほとんど、テレビで観ました。それもナイターが雨で中止になった時の不定期的な穴埋め番組だったと思います。新聞のテレビ欄にタイトル見つけると、よく雨乞いをしたもんです。当然シロクロテレビですから、怪獣の色は想像するしかありませんでした。

怪獣プラモデルはあこがれの的でした。たまに親戚のおじさんがやってきて500円くれると近所の模型屋さんへ飛んでいって怪獣と名のつくものを買いあさっていました。
まんが雑誌なんかも表紙に怪獣の絵が描いてあると内容なんか考えずに買ってました。
大伴さんの怪獣解剖図鑑とか、小松崎さんや石原さんの怪獣絵物語なんかも当時よく読んでた記憶があります。

マルサンの電動歩行怪獣はレッドキングとエビラ以外は全部持ってたように思います。リモコン付けるのがきらいでモーターも内蔵せずに素組みのまま遊んでました。バラゴンと色違いのネロンガとか、ピンク色したギャンゴとか記憶に残ってます。そういやあ150円?のウルトラホーク3号もダークグリーンの成形色でしたね。子供心になんでやねん?と思ってました。

ところが怪獣収集はある日突然悲しい終演をむかえることとなります。成形色のままなのがいやでもっとリアルにしたくって、塗装したくなりました。なんせ幼稚なもんでプラカラーの存在なんかしりません。ウルトラマンの赤いところを水彩絵の具で塗るしまつ、案の定あっという間のはげちゃいました。
そんなこんなでリアルにしたくて近所のおっちゃんに塗装を頼みました。おっちゃん何を考えているのか、接合ラインにそって赤や黄色のライン入れたりペギラのいぼいぼまで原色の黄色ペンキで塗ってしまいました。
「どうじゃ迫力あるじゃろ?」
「・・・う・うん・・」
なんの抵抗もできません。ただただとんでいもない状態になっていく怪獣たちを黙って見ているしかありませんでした。
おっちゃんが得意げに帰った後の焦燥感といったらありません。赤や黄色のストライプのはいったトドラや、パゴスいぼいぼが病気みたいなペギラ、みんなうつろな目をして私を見つめていました。
急激に愛着感の無くなった怪獣たちはほどなく裏の河原で爆発炎上し消えていきました。いやあ今持ってたらお金持ちになってたかも…

いい時代になったものです。当時観た作品はほとんど高画質DVDで鑑賞できますし、すばらしい造形のGKで当時欲しかった怪獣世界のイメージを手にすることができます。
まあ自分の小遣いで許される範囲でのことですけど…
結局のところ、私にとってのGK収集は遠いあの日のおっちゃんへのリベンジなのかもしれません。