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昨日は台風で一日家にカンヅメになっていたので、久々に読書してました。
怪獣文学大全から、映画『モスラ』の原作「発光妖精とモスラ」デッス
書かれたのは、中村真一郎・福本武彦・堀田善衛…昭和文壇で活躍した3人の著名な小説家です。
【上】草原に小美人の美しい歌声 (作:中村真一郎)
【中】四人の小妖精見世物となる (作:福本武彦)
【下】モスラついに東京湾に入る   (作:堀田善衛)
の3篇に別れていて、まるでリレーのバトンのようにそれぞれを順番に分業して執筆し、3篇の作品を合わせてひとつの物語にするという共作小説になってます。ストーリーはほぼほぼ映画と展開は同じなんですが、細部の設定が微妙に違っててめっちゃ面白い短編小説になってます。
原作と映像作品の相違点、映画にはない付加設定をピックアップしてみると…

まず【上】ですが、玄洋丸の海難事故からインファント島調査団の上陸、小美人の登場までが描かれています。主人公は言語学者中条信一、新聞記者の福田善一郎は、調査団には参加せず、【上】には登場しません。
ネルソンの出身国はロリシカでなく、ロシリカ…微妙に違いますね。ロシア+アメリカなのはすぐ分かりますが、文字を並べ替えて発音しやすくしたんでしょうか…? ロシリカよりロリシカの方が響きがいいかも~
吸血植物に絡めたとられた中条を助けに現れる小美人は2人ではなくひとりです。
それ以外、ストーリーの流れは映画とほとんど同じというか、映画がほぼ原作どおりです~

次に【中】…調査団は無事帰国しますが、調査結果についてなんの発表もされないので、秘密を暴くため新聞記者の福田が単身インファント島へ上陸します。そして島の原住民から、天地創造の神話を聞かされます。

この世がまだ混沌として定まらなかったころ、永遠の夜を治める男神アジマの体から、昼を治める女神アジゴが誕生し、二柱の神は次々と神羅万象を創造していく、そして創造に疲れた二神が床を共にすると、やがて巨大な卵モスラが誕生する。しかし卵はいつまで経っても孵らなかった。
次に二神の体から男女2人の人間が生まれどんどん増えて島にあふれた。その後、二神から無数の小さな卵が生まれ、卵から幼虫になり、蛹になり、蛾になって飛び立った。男神アジマはこれを女神の失敗だと決めつけ怒り、自らの体を縦に4つに引き裂いた。4つの部分はそれぞれ暁の星、宵の星、北の星、南の星となって飛び散った。
女神アジゴは嘆き悲しみ、自らを永遠の卵モスラのいけにえとして捧げるため、わが身をアジマと同じく4つに引き裂いた。その4つからアジゴそっくりの人間の半分ほどもない4人の若い女が生まれた。彼女たちはアイレナと呼ばれ、永遠の卵モスラに仕える巫女として永遠の命を持っていた。彼女たちは、無数に生まれた小さな卵から孵った幼虫の繭から織物を織った。その糸は夜でも燐のような光を発した。
女神アジゴは死ぬ前に予言をした。
「アイレナはモスラに仕えモスラは必ず島を守る」……

なんか古事記の国生み神話に雰囲気が似てますね。きっとモチーフにしたんでしょう。最大の相違点は小美人は2人ではなく4人いることですね。そして4人ともネルソン一味に拉致されて、日本で見世物にされてしまう展開は映画と同じデッス
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そして最後の【下】でいよいよモスラが誕生し、小美人を取り返すため日本へ向かいます。太平洋を北上中、衝突してまっぷたつになり沈没する豪華客船オリオン号は、原作ではプレジデント・オブ・ヒックリカー号…いかにもひっくり返りそうな船名ですが、衝突せず無事でした。
モスラが上陸するのは鎌倉七里ガ浜、その後鎌倉市内を蹂躙して、なぜか再び海へ戻ります。その後、再上陸して都心へ向かいますが、繭をかけるのは東京タワーではなく、国会議事堂です。このシチュエーションは「ゴジラvsモスラ」で実現してますね。原子熱戦砲は単に熱戦放射器と表現されてて、羽化のあとすぐにロシリカへ向かいますから、東京襲撃の描写は割りと淡泊で、さらっと終わってします。
ロシリカの首都はニューカークシティではなく、ニュー・ワゴン・シティ…混乱の中、ネルソンは何者かにあっさり射殺されてしまいます。一方モスラによる首都の被害状況等の描写はほとんどありません。アイレナを取り返すとインファント島へ立ち寄った後、そのまま宇宙空間へ飛び立ち、アンドロメダ星雲をかすめて別宇宙の反世界へ旅立っていきました。この辺も「ゴジラvsモスラ」のエンディングのモチーフとして活用されてましたです~

以上が「発光妖精とモスラ」の概要と映画との相違点ですが、物語のテイストは概ね忠実に映像作品にも伝わっていたと思います。映画と同じく、原作もおもしろい作品でした。機会があればぜひ読んでみてくださいませ~

そうそうすっぽんのゼンちゃんの相棒花村ミチ女史ですが、原作では花村ミチ子で中条さんの助手になってましたwwwダハハ