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ここんところ、めっちゃコワくておぞましいホラーやパニックムービーのレビューが続いてたので、今回はスカッとする? ハードボイルドアクションの名作などいかがでしょ…www
WOWOWの放送を録画してた、1980年公開の松田優作主演作品「野獣死すべし」です~
アクション映画と言っても痛快な陽性の作品ではありませんし、当時興行的にもズッコケた作品ですが、松田優作の狂気の演技が際立った代表作のひとつだと思いマッス

ある大雨の夜、東京都内で警視庁捜査一課の警部補、岡田良雄が刺殺されて拳銃を奪われ、さらにその拳銃を使用した違法カジノ強盗殺人事件が発生、世間は騒然となる。事件を起こした伊達邦彦は東大卒のエリートで頭脳明晰、元射撃競技の選手でもあったが、かつて大手通信社の外信部記者として世界各地の戦場を取材し、数々の地獄絵図を目の当たりにしたことで、社会性や倫理を捨て去った野獣と化していた。銀行を次の標的に定めた伊達は綿密な計画を企てるが、厳重な防犯体勢のもとでは単独犯行は不可能であると判断、計画の実行に向いた共犯者探しを始め、同じ野獣の狂気を感じる真田と知り合う。その頃岡田の部下だった刑事、柏木秀行は伊達に目星をつけ執拗につきまとうが……

当時めっちゃ優作ファンの友人がいて、あの狂気の眼差しを真似しようとしてましたが、ピンボケでちっとも怖くなかったのを思い出します~www 改めて再見すると、オーバーアクションな演出でかなり不自然に感じますが、当時の彼のイメージにはピッタリの作品だったと思います。

その友人に誘われて「蘇る金狼」「人間の証明」「遊戯」シリーズ等々、彼が主演のアクション映画はほとんど観ましたが、やっぱこの「野獣死すべし」と遺作となったリドリー・スコット監督の「ブラックレイン」が彼の代表作じゃないかと思いマッス
とにかくあの狂気に満ちた、焦点の定まらない視線がめっちゃ印象に残ってます~不思議な抑揚のある、独特のセリフ回しも彼ならではのアイデンティティですね。
ほんと早世されたのがめっちゃ惜しい、昭和を代表する稀有な俳優さんでした。

この作品…他にも当時を代表するような俳優さんが多数出演されてるんですが、めっちゃセリフが少なくて、出演時間が極端に短いのがもったいない気もします。
冒頭で殺害される岡田警部役の青木義朗、ヒロイン令子の小林麻美、岩城滉一、風間杜夫、佐藤慶、安岡力也、泉谷しげる、根岸季衣…等々、錚々たる顔ぶれなのにみんなセリフが少なくて登場時間が短く、存在感が希薄なのが残念…なんかめっちゃもったいない感じwww
ただ、鹿賀丈史演じる相棒真田と、伊達とのツープラトンの狂気はなかなか見ものでしたです~
2人を追い詰める柏木刑事役の室田日出夫もいい味出してました。

全体的に観るとオーバーアクションぎみでリアリティに欠けるストーリーでしたが、当時のハードボイルドアクションというと、みんな派手なガンプレイが多い現実離れしたドラマが多かったですから、今観ると不自然でも当時はこんなものだったんでしょう。ラストに伊達が狙撃されたシーンなんか意味不明ではありましたけど~

とにかく「野獣死すべし」久しぶりに観て、松田優作の狂気の眼芸を改めて堪能できました。
松田龍平、翔太兄弟そろそろ父親の没年と同年代になって、あの焦点の定まらない狂った眼差しを継承できるでしょうかねェ…なぜか興味津々です~ダハハ