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「雪風 YUKIKAZE」はまだしばらく観に行けそうにないので、APVでこんな作品久しぶりに再見しました。2009年公開の東宝の海洋戦記映画「真夏のオリオン」です~

小学校の教師倉本いずみの元にアメリカから手紙に添えられていた1枚の楽譜が届く。それは、いずみの祖母・志津子が、船乗りたちが吉兆をもたらすと信じる真夏の空に輝くオリオン座に祖父・倉本孝行への想いを託して書いた「真夏のオリオン」という曲だった。その楽譜がアメリカで保管されていた理由を尋ねて、いずみは元乗組員・鈴木勝海のもとを訪れる。鈴木は64年前の夏、人間魚雷回天を搭載したイ-77潜の艦長だった倉本が、アメリカの駆逐艦パーシバルと繰り広げた戦闘の記憶と真夏のオリオンが照らし出した戦いの結末をいずみに話し始める……

主人公イ-77潜の倉本孝行艦長は「雪風 YUKIKAZE」にも出演されてる玉木宏さん、ヒロインの倉本いずみと志津子二役で北川景子さんです。16年前の作品ですから二人ともめっちゃ若いwww
玉木さんとイ-81潜艦長有沢義彦役の堂珍義邦さんの艦長2人はちょっと若すぎて貫禄不足かも~

東宝戦記映画というと、三船敏郎さんや山村聰さん、小林桂樹さんといった往年の名優のイメージが強いので、どうしても今どきの俳優さんだと迫力不足を感じてしまいます。
玉木さんは「連合艦隊司令長官 山本五十六」「沈黙の艦隊」といった作品にも出演されてる、最近の戦記映画には欠かせない存在なんですけどねェ…
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さてさてこの作品のストーリーですが、ストレートに言っちゃうとハリウッドクラシックの名作「眼下の敵」とほとんどそっくりです。潜水艦と駆逐艦の一騎打ち、結末もほとんど同じかも~
ただ、邦画としてはお約束の男女間の純愛ドラマも描かれていますが、戦記映画としては、悲劇的な結末ではないので、若干物足りないですゥ…反戦メッセージもあまり心に響きませんでした。
倉本艦長の人物像も戦時中の軍人としてはちょっとありえないような描かれ方をしています。
その点は「永遠の0」の宮部少尉に似てるかも~
それに、なにより倉本、有沢両艦長が今風の長髪なのにめっちゃ違和感を感じます 
潜水艦モノにハズレなしと言われますが、この作品はちょっと微妙ですね…
ペーターゼンの「Uボート」なんかと比べると圧倒的に表現不足です。
むしろバーチャル戦記の「ローレライ」に雰囲気似てるかも~
無題
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それはともかく、キモの特撮に関しては邦画としては十分なクオリティだったと思います。
とくに駆逐艦パーシバルに関しては、現存しているカノン級駆逐艦スレーターを使って撮影されたそうなので、リアリティは申し分ありません。
イ-77潜の水中シーンもなかなかリアルで、俳優さんの演技とは裏腹に迫力満点です。
イ-77潜はもちろん架空の潜水艦ですが、実在したイ-58潜がモデルだそうです。広島、長崎へ投下された原爆をテニアンに輸送した重巡インディアナポリスを撃沈した潜水艦ですね。

「真夏のオリオン」は、残念ながら総合的に見ると戦記映画としては少々物足りない作品でした。
「雪風 YUKIKAZE」ははたしてどんな作品に仕上がっているのか…
月末までにはシネコンへ行って目撃してこようと思いマッス