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入院中時間を持て余してたんでアニメゴジラのプレストーリー文庫本(怪獣黙示録プロジェクト・メカゴジラ)を読んでました。めっちゃ興味深い小説なのであっという間に2冊とも完読しましたです~

アニメゴジラ3部作の舞台は、今から2万年も経過した未来の地球のお話なので、なぜゴジラが出現したのか、なぜ人類が地球を放棄しなければならなかったのかとか詳しい経緯はほとんど語られていません。その予備知識としてこの2冊の小説を読んどくと、アニメの世界観がより理解できると思いマッス

さて、すでに文庫本を読んだ方にはおさらいということで内容を整理してみると、まずこの小説は地球連合情報軍調査官アキラ・サカキの調査報告書として綴られています
でもこの調査記録はどうやら上層部へは提出されていないようです。内容は怪獣が始めて出現した1999年から、人類が地球を放棄する2048年まで約50年間にわたる怪獣と人類との壮絶な闘いについて、軍人や科学者、一般市民の生々しい証言を収拾したものです。ざっくり数えてみると証言者数は70名あまり、うち半数近くが直接戦闘にかかわった軍関係者の証言となっています

時系列で出現した主な怪獣と出現地、人的被害を列挙すると…

1999年 米国 ニューヨーク~ボストン カマキラス 推定死傷者数 250万人
2002年 英国 ロンドン~マンチェスター ドゴラ                     390万人
2005年 中国 天津~北京    ラドンアンギラス           820万人
2017年  オーストラリア シドニー~ニューカッスル ダガーラ    670万人
2022年 トルコ イズミル~アンカラ オルガ           115万人
2030年 米国 ロサンゼルス~サンフランシスコ ゴジラ         870万人
2034年 ゴジラ襲撃により西ヨーロッパ壊滅       推定死傷者数600万人
2042年 ゴジラ 出現回数8回 推定死傷者数3億人     人類生存圏確保率19%
2045年 ゴジラをヒマラヤ山脈に封じ込め約1年間の進行遅滞に成功
2046年 ゴジラ インド防衛線突破 推定死傷者数2億人 
             同年日本に侵攻、浜松に上陸 対ゴジラ最終決戦敗北
             モスラガイガンメカゴジラ喪失 推定死傷者数1億人 
             人類生存圏確保率11%   世界人口推定7億人
2048年 人類地球外惑星移民計画実行

その他、マンダバラゴンバランゴロザウルスガバラガニメカメーバビオランテ…etc、東宝の怪獣たちはほとんどオールスターで登場します。グリホン大ダコ大コンドルまで~まるでイェーガーのいない「パシフィック・リム」のような様相です~

 それに出現するシチュエーションが既存の映画の登場シーンをトレースしてて心憎い演出です。マンダ轟天の戦闘、ゴジラ妖星ゴラス迎撃なんかは「GFW」で見たことがあるシーンですね
 
地球連合軍の兵器も海底軍艦轟天・震天・驚天多脚戦車G-HEDメーサー戦車マーカライト・ファープスーパーXF-3YS戦闘機、そしてジャガーJ戦闘服と元ネタに思わず笑っちゃう兵器ばかり…オキシジェンデストロイヤーまで登場しますよ~

そして人類側として巨蛾モスラ、サイボーグ怪獣ガイガン、最終兵器メカゴジラ…たしかチタノザウルスも人類がコントロールしてましたです~
ほんとめっちゃ豪華な布陣です。ただそれぞれの怪獣個々のキャラクターについてはまったく触れられていません。出現理由も地球環境の変化が原因的なまるで「MM9」の世界観みたい…ふつうに怪獣の存在する世界ですゥ

とにかく怪獣はつぎつぎと出現して暴れるだけ、ゴジラについても同じで、ただ人類とその文明の破壊に終始します。ただ根本的にゴジラにそれほど強大なパワーがあるのかどうか…ゴジラアースは別格としてゴジラ・フィリウスレベルのゴジラが人類の文明をあれほど荒廃させたとはちょっと考えにくいです~大陸レベルで壊滅させるだけのパワーはちょっと過剰ですね。それに“オペレーション・グレートウォール”で2000発の熱核攻撃なんてちょっとやり過ぎかも~人類の自殺行為ですゥ

そして唐突に地球に飛来する異星人エクシフビルサルド…彼らが人類に全面的に協力する姿勢もちょっと理解に苦しみます。それにエクシフはX星人(エックス→エクシフ)ビルサルドはブラックホール第3惑星人(ブラックホールサード→ビルサルド)がモチーフであることは見え見えなんですよねェ~ということは、実は人類の地球放棄は彼らの策略だったのかも…最終章ではギドラの襲来が必至ですし、虚淵玄さんの脚本ですからその可能性大なんじゃないかなぁ~

とにかく、このプレストーリーに登場するゴジラ以外の怪獣たちはほとんどが過去の映像作品のオマージュだったり、やられ役のモブキャラだったりしますが、アニメゴジラ本編につながるストーリーに登場する怪獣としては、あまりにも既視感がありすぎて整合性が悪いように思います。なんせ従来のイメージが強すぎますから、リアルな展開には不釣り合いなキャラが多いです~ガバラメガロなんてシリアスな演出はちょっと無理かも~ミニラが登場しなかったのは救いですが…
それにカマキラスがニューヨークの出現したとき、だれがそんな名前付けたんでしょうねェ~ガニメしかりエビラしかり…和洋折衷名は本格的SFにはかなり違和感あり…
ちなみにゴジラとネーミングしたのはキョウヘイ・ヤマネ博士です~ダハハ

そんなこんなでかなりむりやり感のあるプレストーリーですが、いままでのG作品を欠かさず見てるコアなファンの方々には、思わず興奮しちゃいそうなシーンがてんこ盛り、とにかくアニメ三部作の世界観を理解するには、必読でしょうねェ~
2冊ともページ数の少ないラノベですから、アニメゴジラ最終章に先立って予備知識としてぜひ読んでみてくださいませ~