Chapter64 『アーマゲドン』 諏訪湖南岸に上陸した蒼龍王は、なにか目的でもあるかのように諏訪大社本宮の方向にゆっくりと移動を開始した。蒼龍王の眼は、緋巫女たちに天磐門の開放を阻止された怒りからか燃えるような真っ赤に変色している。 蒼龍王の頭上を大きく ...
カテゴリ: 『ガメラ4』妄想の小部屋
『ガメラ4』 Chapter63 邪神復活
Chapter63 『邪神復活』 東の空がうっすらと白みはじめ、長い夜が終わろうとしている。 千里、真弓、貴幸の3人は、湖西の高台にある諏訪湖SEに設置された前線本部の救護用仮設テントで手当を受けていた。ここからは諏訪湖が一望できる。しかしいま眼前に見えるものは、 ...
『ガメラ4』 Chapter62 滅びのプロローグ
Capter62 『滅びのプロローグ』 磐舟を浮遊させる電磁波の影響か、着水と同時に諏訪湖の湖面からおびただしい水煙が立ち上る。着水の衝撃により発生した高さ数メートルの津波が湖畔の民家や観光施設をことごとくのみ込んだ。ニュートリノシャワーによる岩塊自体 ...
『ガメラ4』 Chapter61 磐舟崩壊
Chapter61 『磐舟崩壊』 千里と真弓はステップを覆う粘液質の藻類に足元をすくわれないようお互いの体を支えあいながら葬祭殿の地下、二枚の巨大な石板で作られた扉の前にたどりついた。 ライトの光に照らされた扉の影から、スリムな人物ならどうにか横向きにな ...
『ガメラ4』 Chapter60 ギンヌンガガップ
Chapter60 『ギンヌンガガップ』 「首都防衛群第3偵察隊より報告。横浜市いぶき野上空に静止していた巨大浮遊岩塊は23:50現在西北西に向かって微速で移動を開始。繰り返します。目標西北西に向かって移動を開始!」 危機管理センターに再び緊張が走る。 しかし超電磁 ...
『ガメラ4』 Chapter59 カール・フォン・バイストールの正体
Chapter59 『カール・フォン・バイストールの正体』 悟は綾奈を抱きかかえるとそっと姉の顔をのぞき込んだ。まるで眠っているように穏やかな表情をしている。 そのとき綾奈の全身から幾筋もの七色に輝く線状の発光体が現れ、やがてひとつの光の球に収束すると、天磐舟 ...
『ガメラ4』 Chapter58 鐵の柩
Chapter58 『鐵の柩』 周囲の空気はまるで沈殿しているように重く粘く全身にまとわりつく。足下は海藻類と思われる粘着質のヘドロでぬかるみ、鼻をつく腐敗臭が立ちこめている。チムニーから吹き上げる生臭い蒸気が充満し、防毒マスクを装着していても息苦しい…前方 ...
『ガメラ4』 Chapter57 2通の書簡
Chapter57 『2通の書簡』 夕闇のせまる横浜上空をグライダーは音も無く滑空する。眼前には赤茶けた水蒸気を大量に噴出する黒い巨大な影が浮かんでいる。幸い水蒸気を発するチムニーは南東部に集中しているため、パイロットの櫛田は北面に回り込みながら予め選定されて ...
『ガメラ4』 Chapter56 死闘!朱鶏対白帝
Chapter56 『死闘!朱鶏 対 白帝』 横浜市北区新横浜公園、西に傾いた太陽の弱い光で銀傘の影が長く伸びた日産スタジアムの音響調整室に悟の姿があった。悟のアイデアで対ジャイガー攻撃システムの構築が決定され、練馬第1師団施設部隊のオブザーバーとして派遣された ...
『ガメラ4』 Chapter55 突入!
Chapter55『 突入!』 数時間後、横浜市郊外いぶき野付近、閑静な住宅街が物々しい異様な空気に包まれていた。米森から報告を受けた統合司令部が辰興の身柄を拘束するため陸自特殊部隊を現地に派遣したのだった。 辰興の洋館は静寂に包まれている。周辺住民も避難し、 ...
『ガメラ4』 Chapter54 御霊移し
Chapter54 『御霊移し』 祭壇の中央奥に3つに砕けた剣の断片、その手前に蒼、白、朱、黒4つの亀甲を象った四魂霊珠… 「龍成さん、例のものを出してくれる?」 千里の問いかけに龍成は無言でうなずき、美雪から受け取った古い木箱の中から朽ちかけた灰褐色の ...
『ガメラ4』 Chapter53 守人の血脈
Chapter53 『守人の血脈』 市ヶ谷のヘリポートでは、真弓から連絡を受けた米森と淺黄が千里たちの到着を待っていた。駆け寄った米森は黙って真弓を抱きしめる。今度は千里が所在なげに視線を貴幸に向けた。 櫛田はオスプレイから井氷鹿を抱えるように降ろすと警備 ...
『ガメラ4』 Chapter52 天磐舟(アメノイワフネ)
Chapter52 『天磐舟』 機体のダメージでビリビリと不規則に振動するオスプレイのコクピットから貴幸たちは無言で、眼下の臨海副都心を見つめていた。そこには近代的なビル群の跡形も無く、まるで核攻撃を受けて壊滅した直後のような凄惨な風景が果てしなく広がってい ...